ご注文はうさぎですか？

感想とレビュー

●何もないことこそが素敵な日常！
この物語を評して、内容がないという人がいる。
　それは一面の真実である。　バトルもなければ、殺人事件も起きない、恋愛劇も繰り広げられない。　
主人公・保登心愛ですらも学校に通い、下宿先の喫茶店・ラビットハウスでアルバイトをしているだけなのである。
　なのに”ごちうさ中毒患者”と呼ばれる人々が大量発生した。
アニメ放送が終了したときには”ごちうさ難民”なる言葉と、その難民たちの嘆きがネットの一部に飛び交ったほどなのである。
　このアニメに、内容など不要なのだ。
ごちうさ中毒患者にとっては、何もないことこそが求めるものなのである。
　アニメの外の現実は、煩わしいうえに、前述のようなドラマチックな出来事もない。
そんな現実に疲れ果てた人々に心の癒しを与える空間。
　ラビットハウスにいるような時間を、このアニメは与えてくれるのである。

●心がぴょんぴょんする可愛さ！
“あぁ^〜心がぴょんぴょんするんじゃぁ^〜”という謎の言葉がネット界隈で流行った。
　このアニメ第一期の主題歌オープニングテーマ「Daydream café」の冒頭の歌詞から発生したものだ。
　このアニメの女の子たちは、見ているだけで心躍るほど可愛いのである！
　全身に光を帯びたような独特の作画も美しいが、キャラクターたちの中身も可愛らしい。
　主人公の心愛はドジッ子だが、それを気に病んではいない。　「会って3秒で友達」をモットーとする天真爛漫な女子高生だ。　
年下の女の子に「お姉ちゃん」と呼ばれたがっており、一生懸命にお姉さんぶるのだが、うまくいっていないところがまた可愛らしい。
ラビットハウスのオーナーの娘である智乃は、見た目からして小柄で可愛らしい。
中学生だが、小学生に見える容姿にコンプレックスを持っており、心愛に妹扱いされると若干、むくれる。
普段はクールだが、時折、頬を膨らませる姿が実に愛らしい。
心愛と同じくラビットハウスで働く理世は、黒髪ツインテで巨乳。容姿端麗にも関わらず軍人堅気だ。
銃を持ち歩き、時に戦場を意識したズレた行動をとる。
それでいて、普通の女の子らしさに憧れている一面もあるのが魅力的だ。
ラビットハウスのライバル店である和風喫茶・甘兎庵の看板娘である宇治松千夜は長い黒髪が美しい純和風美少女だ。
大和撫子に見えるが、店で出す新作メニューには中二病ネーミングを付けないと気が済まない。
桐間紗路。　心愛たちとは違うお嬢様学校に通っており、容姿もお嬢様然としているが、実は貧乏娘である。　当初はそれを必死で隠していたのだが、バレてしまってからは素直に打ち明けている。
この五人を中心とした、まったりとした日常をぼーっと観賞出来るのである。
他の登場人物も魅力的で、視聴すれば好きなキャラクターが一人と言わず、何人かは見つかるであろう。

●異国情緒あふれる美しい街並み
このアニメを見ていて心癒されるのはキャラクターたちの姿だけではない。
彼女たちの住む街並みもまた美しいのだ。
石畳が敷かれたヨーロッパ文化を彷彿とさせる街である。
住んでいる人々の名前から推測すれば日本であると思われるのだが、特に思い当たる場所はない。
どこでもない、だがとにかく住んでみたくなる素敵な街。
この街で繰り広げられる日常だからこそ、中毒者が出るほどの魅力的なアニメになったのではないだろうか？