▶今だからこそ語られる、林原めぐみの本音。90年代女性声優ブームの光と影
昨今の声優ブームにはすさまじい勢いがあると思う。去年は『ラブライブ!』の女性声優陣が紅白に出場を果たし、その知名度は格段に上がった。本来は「中の人」と称され、裏方のイメージが強かった声優という職業が、今や表舞台に出ることが多くなり、「歌もダンスも演技もできるオールマイティのエンターテイナー」と化している。
こういった兆候はいつ頃あったのだろうか。
90年代に起こったブームにおいて、アイコン的存在だったのが、林原めぐみである。今の「エンターテイナー声優」の先駆者ともいえる実力派声優だ。
林原めぐみは「90年代の女性声優ブームは何を残したのか」について語っている。90年代は『声優グランプリ』をはじめ、声優のグラビア系雑誌も相次いで発刊された時期だった。そういった声優がグラビアを行うということ自体、林原さんはどう思っていたのか、記者は尋ねる。
<林原さん>
最初はね、どうかしてるなと(笑)。声優をグラビアで取り上げるって、「顔が出ちゃったらキャラクターとのギャップはどうするの?」とか。
しかし、実際にアイドルのようにかわいい女性声優たちが出てきていたのも事実。「そりゃ写真を見たいだろう」と思うようになり、最初の「どうかしてる」を考え直したという。<林原さん>
そこに自分がいるのはどうかと思いつつ、これからは声優とキャラクターの境がなくなっていく気がしました。そして、息の長い仕事だと思っていた声優という職業に「今が旬」という期間限定的な要素が含まれてしまったことを危惧したとか。林原さん自身は「声優は陰の美学」という意識が根強くあったようだ。
また「今の若手声優について」記者が質問すると、
<林原さん>
判で押したような台詞を一生懸命言っていることがあります。(中略)「どうしたらそんな台詞を言えるんですか?」と質問されることもある。「どうしたらそういう気持ちになれるのか?」ではなく、台詞の言い方を考えてしまうのは手ごわい。一生懸命読んでいても、心は置き去りで。
さらに、今の声優業界についても、林原さんは言及する。
<林原さん>
時代が急いでいるから、心が追い付かないまま仕事をぶち込まれて、ステージにも上げられて大騒ぎされる。必要不可欠な人間だと思わされて、3年後にはポジションに替えが来ちゃう。そうはならないでほしい。(中略)安くてかわいいから使われるような、薄利多売になってほしくない。でも、使う側にも育てる気がない。(中略)良いか悪いかではなく、それがブームの置いていったものだと思う。と述べている。
もちろん、業界の全てが「ひどい」という意味ではない。「心の交流はあるし」「考えている子はいる」と付け加えている。ただ、「使い捨ての土台はあるわけです」と、声優の世代交代の早さ、そういった業界の現状には、やはり不安があるようだ。
後に、90年代の作品作りについて。「90年代の業界は上昇志向に溢れていた気がします」と話し、現在の「○○みたい」という作品、キャラクターの多さには苦言を呈している。例えば、「エヴァ」みたいな話、綾波レイみたいなキャラ、という似たり寄ったりの状況だ。「『○○みたい』はオリジナルを越えられない。この先、『みたい』ではないものを作りたくて作る現場に関わっていきたい」と語っていた。
ネットの反応
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声優の組合活動が露骨になったので
扱いやすいB級アイドルで埋めたのが始まりだっけ? -
今は声優の声の演技が画一化されすぎてコンビニ弁当みたいになってるよなw
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特に女の声優の画一化がひどい
ただのアニメ声で演技も糞もないわ -
萌え系アニメは若手使ってアイドル声優路線だよね。
それで使われた人は5年後には結構な数消える感じか?
使われる人はうまい人しか残ってない感じ。
けどその分声優のレベルは上がってると思うけど。 -
レコ社キャスティングとタイアップのはしりみたいなもんだったからな
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林原は声に存在感がありすぎてなにをやっても林原キャラになっちゃうからな
声優がキャラを喰っちゃう -
林原の性格って現代だったらメチャクチャに叩かれてるだろうな
今って声優とはこういうものっていう声オタの要求が強すぎると思う -
何が言いたいのか今一判然としないけど、
現在の業界を肯定はしてないのな -
林原はあんま好きじゃないが
危惧してる事には概ね同意
声優ありきで作品作ってないかと思う事も多いし -
確かにかわいい声優が増えたおかげで賞味期限も早くなった
よほどレアな存在でもない限り、すぐに忘れられそうだよな… -
オリコンの上位に度々ランクインしてて異彩を放ってたな
アニメ声優がチャートインするのは今では普通のことだけど
本当に旬の速さはどうにかしてほしいな
好きな声優さんがいつの間に出なくなってたとか寂しすぎるし
それに使い捨てもいつまでもやってると今度は声優を夢を持つことすら困難になりそう