アイドルアニメが過熱!「ラブライブ!」「アイマス」仮想アイドル戦国時代の2大巨頭
現在劇場版が大ヒット中の『ラブライブ!』。そしてラブライブに先駆けて劇場版が大ヒットしたアイドルアニメ『THE [email protected] 』。この2作品の共通点から“今はやりのアイドルアニメ”を見つめる。
■スタート地点はアニメじゃない!
●『ラブライブ!』は「電撃G’s magazine」誌上でのユーザー参加型アイドル育成プロジェクトからスタート。
グループ名などの公募で積極的にファンの意見を取り入れたり、AKBのようにCDのセンターを決める“総選挙”を行ったりと、ファンの声を積極的に作品に反映し、2013年開始のアニメや『スクフェス』で人気を加速させた。
●『アイドルマスター』は、2005年にアーケード用シミュレーションゲームとして誕生。
2011年にアニメ化され、現在も家庭用ゲーム機などで新作ゲームが発売されているほか、200人以上の新キャラクターが登場するソシャゲなど派生作品も次々に登場している。
■完璧じゃないアイドルが与えるもの
●『ラブライブ!』は母校を廃校から救う為のアマチュアアイドルグループ(スクールアイドル)で、自分たちで衣装を作り、ステージの演出を決めるという手作り感がある設定。
●『アイドルマスター』芸能事務所に所属するプロを目指すアイドルの卵たちが登場。
⇒両作品ともア、最初から完璧なアイドルやキャラクターが存在しないように見えることも特徴的。
アイドルの成長をファンが見守る図式は、1970年代のテレビ番組「スター誕生!」の時代から、脈々と受け継がれているが、「ラブライブ!」「アイドルマスター」のように、アイドルの育成にファンを自主的に関わらせようとする方法は、現実のアイドル界でもAKB48を筆頭とする最近はやりの手法。
この方法はファンに「自分がいなければダメなんだ」という庇護(ひご)欲を芽生えさせる。
●また、アニメやゲームの世界を声優達が再現出来る強みを生かし、現実と仮想を地続きで応援できる場を設けていることも人気の一端。自分たちの応援が明確に見える場所はファンに応援することへの意義や充足感を与え、より熱心なファンを生む。
そして劇場版を通じてキャラクターたちが普通の少女からアイドルになる姿を追ったテレビアニメの物語を締めくくる。
両作品ともアイドルとして成長したキャラクターたちが次の世代にバトンをつなぐことをテーマとしており、ファンにとっては単なるアニメの続編ではない。
キャラクターたちの最後の雄姿を捉えた作品となったことが、映画がヒットした一因になったと考えられる。
■今後の注目は『WakeUp,Girls』
「ラブライブ!」「アイドルマスター」はテレビアニメ以外の部分でファンから育てられるアイドルの図式を作り上げたが、これらとはまったく異なるシステムで、現実のアイドルとアニメをリンクさせたものが、『Wake Up, Girls!』。
『Wake Up, Girls!」は2013年7月に発表されると、2014年1月には劇場版アニメとテレビアニメ第1期を放送。
アニメ化までに3年以上を有し、地道に固定ファンを付けた「ラブライブ!」「アイドルマスター」と比較すると、非常に早いペース。
声優がまさに“本当の新人”であったり、キャラクターの名前がそれぞれの声優に関係していたりと、キャラクターが現実の声優とリンクしていることも、ユーザーに現実とアニメのアイドル両方の成長を見せようとする意気込みが感じられる。この作品がどのような結果を生むのかにも注目したい。
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